「日本版ISA」はインカムゲインの再投資ができない? 中田たろうの投資日記 ブログパーツ アクセスランキング

「日本版ISA」はインカムゲインの再投資ができない?

こんにちは。中田たろうです。

「eMAXIS新興国株式インデックス」の純資産額が12/8に67.29億円になり、「STAM新興国株式インデックス・オープン」の67.28億円(同じく12/8)をわずかに超えました。
12/9には、再びSTAM新興国株式の純資産額がeMAXISを上回りましたが、今後はどのように推移するでしょうか。

両ファンドは「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動するノーロードのインデックスファンドです。
信託報酬はeMAXISが年率0.63%、STAMが0.6825%で、eMAXISのほうが低いので新規資金の流入はeMAXISのほうが多いようです。
しかしファンドの費用は信託報酬だけではないので、運用報告書から「その他の費用」を確認しておきたいです。
とくに新興国ファンドは「その他の費用」が嵩む場合が多いので、この比較が欠かせません。
eMAXISシリーズの決算は毎年1月26日なので、その1か月後くらいに公開される運用報告書は要チェックです。

さて、「日本版ISA」と呼ばれている「少額投資非課税制度」は2012年から制度が始まり、来年10月1日から口座開設の受け付けが始まる予定になっています。
(2011年で期限が切れる証券優遇税制の「延長」が政府・与党で取りざたされている関係もあり、開始時期は確定ではありません)
運用開始まで実質的には1年を切っているにも関わらず、個人投資家への周知徹底が不十分で、金融機関がどのように対応するかも見えていません。

「日本版ISA」は、バイ&ホールドの長期投資家には有利な制度で、自分の運用でも積極的に活用したいと思っています。
制度を研究して、具体的にどの商品へ投資して、どう使えばいいか、検討を始めました。
細かな点が明らかではないので私の勘違いの可能性もありますが、「日本版ISAはインカムゲインの再投資に制約が多い」ように思えます。

「日本版ISA」の制度のおもな特徴は、以下の通りです。

 1.口座内の金融商品から発生する配当および譲渡益が口座開設以降10年間にわたって非課税
 2.対象となる金融商品は上場株式と株式投資信託
 3.1年当りの投資上限は1人100万円
 4.満20歳以上の居住者に口座開設が認められる
 5.口座の開設は12年から14年までの3年間に限定、毎年1口座ずつ開設する
 6.口座の残高に上限はなし
 7.引き出しはいつでも非課税で可能、ただし引き出した場合にはその分は非課税上限枠が減少する

「インカムゲインの再投資」については、以下のように解釈できます。


◆日本版ISAの口座開設1年目の場合

拠出額が100万円未満の場合、100万円との差額分は再投資ができます。
たとえば、東証上場のETFへ90万円を投資して、その年に分配金を受け取ったとします。
この分配金はもちろん非課税で、その年の12月までであれば日本版ISAの口座内で再投資が可能です。

しかし、拠出額の上限である100万円を投資して、その後に分配金を受け取った場合は事情が異なります。
分配金が非課税であることは同じでも、日本版ISAの口座内で1306や他の銘柄へ再投資することは不可であると思われます。
日本版ISAでは、MRFやMMFなどの公社債投資信託での運用ができないので、配当金等は「預かり金」として口座内へプールしておくしか手立てがないでしょう。
この「預かり金」を口座外へ引き出すと、非課税枠が100万円から減ってしまうと思われます。


◆日本版ISAの口座開設2年目以降の場合

1年目の拠出額に関わらず、2年目以降に受け取った配当や分配金は日本版ISAの口座内での再投資が一切できません。
MRFやMMFでの運用もできず、「預かり金」としてプールするしかありません。
口座外へ引き出すと、その金額分は非課税枠が減ってしまうと思われます。


インカムゲインの再投資ができず、引き出すと非課税枠が減らされるなんて、「そんなバカな…」と思いたいのですが、ネットであちこちを調べても「再投資ができる」「非課税枠は減らない」と記載されたものはどこにもありません。

インカムを再投資できないと複利効果が小さくなるので、ETFのように配当等の収益を必ず分配する商品は、日本版ISAでの運用にはあまり向かないと言えるかもしれません。
分配金を極力出さないように運用しているインデックス投信が有利になる場合もあるでしょう。
大雑把に試算を行ってみたのですが、ETFとインデックス投信では信託報酬の違いもあるので、その差は微妙な感じです。

日本版ISAの制度の細部が明らかになるまで、この問題は保留しておきます。


<12/14追記>

証券優遇税制が2013年末まで2年間延長、日本版ISAは税率が本則の20%へ戻る2014年から導入と決まりました。
このエントリの結論も、2年後へ持ち越しとなります。

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2010/12/10 09:00 | 投資についての雑感COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

>1年目の拠出額に関わらず、2年目以降に受け取った配当や分配金は日本版ISAの口座内での再投資が一切できません。
>MRFやMMFでの運用もできず、「預かり金」としてプールするしかありません。
>口座外へ引き出すと、その金額分は非課税枠が減ってしまうと思われます。


お疲れ様です。
再投資してしまうと投資金額が増えてしまうのかな?と思っていました。
株式を購入する場合、配当を受け取るのは、税金がかからないのかと思っていましたが、、考え的にあっています?

No:502 2010/12/12 10:41 | 矢向 #Ji7woxQg URL編集 ]

> 矢向様

コメントありがとうございます。

> 再投資してしまうと投資金額が増えてしまうのかな?と思っていました。

http://www.nikkoam.com/fund-academy/isa

上記の日興AMのウエブサイトから引用すると、

> 2.非課税投資額
> 口座開設年に、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年繰越不可)

とありますので、2年目以降は再投資できないと思われます。


> 株式を購入する場合、配当を受け取るのは、税金がかからないのかと思っていました

エントリの本文から引用しますが、

> 1.口座内の金融商品から発生する配当および譲渡益が口座開設以降10年間にわたって非課税

ですね。

ただし、「配当は日本版ISAの口座内で受け取り、口座から引き出すときに非課税枠が減らされる」のか、「配当は日本版ISAの口座外で受け取り、非課税枠は減らない」のか、それ以外の受け取り方があるのか、制度の詳細が不明です。

No:504 2010/12/13 20:02 | 中田たろう #- URL [ 編集 ]

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